DJモペのねこまんま

猫とゴハンと日々のあれこれ

猫に有害な『プロピレングリコール』がペット用ウェットティッシュに使われていた!アイリスオーヤマに問い合わせた結果


猫に有害な『プロピレングリコール』がペット用ウェットティッシュに使われていた!アイリスオーヤマに問い合わせた結果

ホームセンターで購入したアイリスオーヤマのペット用ウェットティッシュに、猫に有害な『プロピレングリコール』という成分が含まれていることに気付きました。

パッケージには猫の写真が使われていて『なめても安全な成分を使用』とも書かれています。

影響無い量なのかもしれませんが、本当に大丈夫なのか気になったのでアイリスオーヤマに問い合わせました!果たして安全なのか!?

 

 

プロピレングリコール(PG)とは

無色無臭の液体状の化合物で、日常的に幅広い用途で使われています。

ほとんどの生物や人体にはほぼ無害で、保湿性や防カビ性に優れているため、普段意識はしていませんが、保湿剤、潤滑剤、医薬品、食品、ドッグフード、電子タバコ(VAPE、Ploom TECH)のリキッドなど、実はかなり色々なものに入っています。

主な用途

樹脂の中間原料として用いられるほか、溶剤としての性質に優れ、さらに湿潤作用、保湿作用、保存作用、乳化作用、高沸点、低凝固点などの特長を活かして、食品、医薬品、化粧品、熱媒、冷媒、不凍液などに広く用いられています。

プロピレングリコール | 製品・サービス情報 | AGC化学品カンパニー

 

猫には有害

そんな安全で便利なPGですが、猫にはかなりの悪影響を及ぼすことが実験により判明しています。

猫がPGを摂取すると、ごく少量でも危険な症状が発生します。

  • 赤血球中のハインツ小体が増加し、溶血性貧血に陥る
  • 乳酸アシドーシスが起き、嘔吐、過呼吸、昏睡などに陥る
  • 腎臓への負担が増え、腎不全などが起きる可能性がある

 

キャットフードへの使用は法律で禁止

日本では農林水産省や環境省が『ペットフード安全法』という法律で、キャットフードにPGを入れてはいけないと定めています。

(3)プロピレングリコールは、猫用の販売用ペットフードには用いてはならない。

環境省_ペットフード安全法基準規格等 [動物の愛護と適切な管理]

 

なお犬への危険性は低いため、モイスチャータイプのドッグフードの保湿や防カビに使われています。

犬と猫を一緒に飼っている場合、猫がPG入りのドッグフードを食べてしまわないようにご注意ください。

 

アイリスオーヤマのペット用ウェットティッシュ

そんなPGが、購入したアイリスオーヤマのペット用ウェットティッシュに使われていました。

先述の通りパッケージに猫の写真が使われていて『なめても安全な成分を使用』と書かれていたため、何も気にせずに購入していたものでした。

たまたま裏面を見て気付きました。

猫に有害な『プロピレングリコール』がペット用ウェットティッシュに使われていた!アイリスオーヤマに問い合わせた結果

 

品質表示のアップ。具体的な量はわかりませんが、成分表示は量の多い順に記載するはずなので2番目に多いということに…

猫に有害な『プロピレングリコール』がペット用ウェットティッシュに使われていた!アイリスオーヤマに問い合わせた結果

 

アイリスオーヤマとのメールのやり取り

アイリスオーヤマと言えば誰でも知っている大きいメーカーなので、もちろん安全性に問題が無い量だと確認したうえで使用しているとは考えました。

猫の写真をパッケージに使って『舐めても安全』とまで書いてあるのに、実は猫に有害だったとかはさすがに無いでしょう…当然社内に法務部門があり、景品表示法などのリーガルチェックを経たうえで販売されているはず。

 

また直接食べるフードと違い、そもそも体を拭くだけなら影響が出るほどの量ではないのかもしれません。キャットフードへの使用は禁止されていても、ウェットティッシュへの使用は特に制限されていないのにはそういう理由もあるとは思います。

 

ただ、万が一アイリスオーヤマがうっかりミスをしていたら猫の健康がヤバい…

そして本当に大丈夫なのかどうかこちらで判断する術がありません。そこで、どうしても気になったので直接アイリスオーヤマに問い合わせてみました!

 

以下、アイリスオーヤマのサポート担当者とのやりとりです。ブログへの転載も許可を頂いています。 

 

1月6日(月):こちらから1回目の質問

公式サイトの問い合わせフォームから送りました。

この記事で記載したような内容を一応添えて、本当に安全か教えてくださいということを質問。

「ペット用ウェットティッシュ PWT-1P 80枚入」および「ペット用流せるウェットティッシュ PNWT-1P 70枚入」にはプロピレングリコール(PG)が使用されているようですが、猫に使用しても安全ですか?

PGは猫が摂取し続けた場合に中毒となり、溶血性貧血、合併症による胆石などが発生する危険があるとして、ペットフード安全法ではキャットフードへの使用が禁止されています。

ウェットティッシュで猫の体を拭くとその後の毛づくろいなどでPGを体内に取り込むと思われます。
パッケージに猫の写真が使われており「なめても安全な成分を使用」と記載されていますが、量的に影響が無いなど検証のうえで猫用として販売されているのでしょうか?

こちらのウェットティッシュをホームセンターで購入したあとで成分に気付きましたので、使用しても安全かどうか教えてください。   


1月9日(木):アイリスオーヤマから1回目の回答

コミュニケーションセンターのAさんという方から回答がありました。

『保湿性を保つためにごく微量含まれているが、問題ない程度の量』ということでひと安心。

DJモペ 様

お世話になっております。
私はアイリオーヤマ株式会社コミュニケーションセンターの担当Aと申します。
日頃より弊社商品をご愛顧賜り誠にありがとうございます。
ご連絡が遅くなり申し訳ございませんでした。

お問い合わせいただきました件についてですが、
弊社のペット用ウェットティッシュは
保湿性を保つためにごく微量含まれており、
問題ない程度の量でございます。

大変ご心配をお掛けしており申し訳ございませんでした。
また何かございましたらご連絡いただきたく存じます。

今後ともアイリス製品をよろしくお願いいたします 

 

1月9日(木):こちらから2回目の質問

安全ということはわかったのですが、もうちょっと詳しく知りたいと思ったので追加で質問しました。

『問題ないごく微量』というのはどれくらいなのか?

アイリオーヤマ株式会社 担当A様

ご返信ありがとうございます。DJモペです。

猫の健康に問題が無いということで承知いたしました。
追加で質問をさせてください。

1)
「ごく微量含まれており、問題ない程度の量」について、
PGが1パックにどれくらいの量が含まれているか教えていただけますか?
(問題ない程度の量の根拠について知りたいです)

2)
このメールおよびこの後の返信について、SNSやブログなど、
ネット上で不特定多数が閲覧できる状態で公開してもよろしいですか?
(転載の場合でも個人名は伏せます)

お手数ですが、ご確認のほどよろしくお願いいたします。 

 

1月10日(金):アイリスオーヤマから2回目の回答

最初のAさんではなくBさんから返信がありました。

品質管理部に確認してから回答してくれるとのことなので、そのまま待ちます。

DJモペ 様


お世話になっております。
アイリスオーヤマ コミュニケーションセンター担当Bと申します。
このたびは弊社商品につきましてお問い合わせいただき、
誠にありがとうございます。

このたびご質問いただきました件につきましては、
改めて品質管理部に確認しご回答いたしますので、
お時間をいただけないでしょうか。

何卒よろしくお願い申し上げます。 

 

1月16日(木):アイリスオーヤマから3回目の回答

改めてBさんから回答がありました。

品質管理部に確認してもやはり健康被害が及ぶ量は入っていないとのことで、杞憂だったようで良かったです。

そして猫に健康被害を及ぼすのは『0.5%以上』とのこと。

DJモペ 様


お世話になっております。
アイリスオーヤマ コミュニケーションセンター担当Bと申します。
このたびはお時間をいただきましてありがとうございました。

ご質問いただいておりました件についてご報告いたします。
品質管理部に確認しましたところ、猫ちゃんに健康被害が及ぶ量は
入っておりませんでした。

猫ちゃんの健康に被害を及ぼすおそれのある数値は、0.5%以上とされておりますが、
当商品は0.5%以下でございます。

ご安心してお使いくださいませ。

また、SNSやブログなどに公開していただいても問題ございません。
DJモペ様のお考えにお任せいたします。

以上の通りでございます。


何卒よろしくお願い申し上げます。

 

1月16日(木):こちらから3回目の質問

しかし更なる疑問が湧いてきました。回答では『0.5%以上』とだけ言われましたが、これは何についての数値なのでしょうか?

安全だと言われたので終わっても良かったのですが、ここまで来たら何に対しての0.5%なのか知りたいと思い、また追加で質問。

アイリスオーヤマ 担当B様

お世話になっております。 DJモペです。

詳細のご確認とご返信ありがとうございます。
何度も申し訳ありませんが、ご回答について詳しく教えていただけないでしょうか。

>猫ちゃんの健康に被害を及ぼすおそれのある数値は、
>0.5%以上とされておりますが、当商品は0.5%以下でございます。

この0.5%とは何に対しての数値ですか?
例えば体重1kgあたりに対して摂取しても影響が無い割合、
またはプロピレングリコール自体の濃度など、教えていただけますか。

お手数をおかけいたしますが、よろしくお願いいたします。 

 

1月21日(火):アイリスオーヤマから4回目の回答(終了)

そして返信がありましたが、『0.5%』の詳しい内容についてはアイリスオーヤマでは案内していないということで打ち切られてしまいました…

結局何についての数値なのかはわからず仕舞い…

DJモペ 様

アイリスオーヤマの担当Bでございます。
ご連絡いただきましてありがとうございます。

プロピレングリコールのパーセンテージでございますが、
0.5%を超えて添加されますと健康影響の可能性がございます。

それ以上の詳しい内容につきましては、
当方ではご案内いたしておりませんでした。

以上の通りでございます。

何卒ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。

 

謎の数値『0.5%』について

そこで自分でも検索してみた結果、環境省のサイト内の議事録に回答にあった『0.5%』という数値が出てきているのを見つけました。

ただこれにもPGの0.5%以上の添加は猫の健康に影響があるとしか書かれていません。

それから、プロピレングリコール、これは32ページになります。これは特に犬のセミモイストタイプのフードに保湿効果に使える、ペットフードのソフトな感じを出すために使われております。ただ、これは猫に関しては、何か赤血球を減少させるおそれがあるという実際の試験結果がございます。この毒性試験の結果によって、0.5%を超えると健康影響の可能性があるという報告がございます。一方、セミモイストの効果を出すために必要な量というのが数%必要だと言われています。すなわち、0.5%では効果がないということでございます。従いまして、今回猫用ペットフードについては上限値を設定するのではなく、使ってはならないという基準値にしたいと考えています。

環境省_中央環境審議会動物愛護部会ペットフード小委員会・農業資材審議会飼料分科会及び同安全性部会合同会合(第2回) 議事録

 

引き続きしらベていくと、独立行政法人農林水産消費安全技術センター(FAMIC)というところの資料が見つかりました。

どうやら0.5%の添加は『食品添加物の使用基準量』に関することらしい…?

プロピレングリコールは,吸湿性及び粘性がある無色の液体で,品質保持剤等として用いられる.食品,添加物等の規格基準 1)では,使用基準量として生めん及びいかくん製品で 2.0 %以下,ギョウザ,シュウマイ,春巻及びワンタンの皮で 1.2 %以下,その他の食品で 0.60 %以下としている.愛玩動物用飼料においては,プロピレングリコールは,セミドライ製品の保湿性を向上させるために数%の割合で添加されるが,猫の赤血球を減少させるおそれがあり 0.5 %を超える添加で健康影響の可能性があると報告されている 2).このことから,省令 3)ではプロピレングリコールは,猫を対象とする販売用愛玩動物用飼料に用いてはならないと規定し,

http://www.famic.go.jp/ffis/feed/obj/rraf41-r7.pdf

 

これらの分野に全く詳しくないのでピンと来ないのですが、この『使用基準量として生めん及びいかくん製品で 2.0 %以下』というのは食品の重量に対する割合なのでしょうか?

それ以下なら安全だとしても、もし生めんを2袋食べると総摂取量は2倍になります。それでも基準量以下の割合なら安全?よくわかりません(^_^;)

 

もし詳しい方がこの記事を見たら、ぜひコメントで教えていただきたいです。

 

結論:使うかどうかは自己判断

私の知識では、日本語で探せる中では今のところ何に対しての0.5%なのかイマイチわからず…

そして0.5%以下ならどれだけ大量に使っても大丈夫なのかとか、毎日のように使った場合に蓄積されないかなどもわからず…

体重6kgの猫と1kgの子猫でも、0.5%以下なら同じだけ安全…?さすがに体重1kgあたりの1日の摂取上限や、体外に排出しきれる量、半数致死量(LD50)などが決まっているはずですがなかなか見つけられず…

個人のブログで少し書いている人もいましたが、公的機関のソースではないので信じて良いかもよくわからず…

 

と結局様々なことがわからず仕舞いのままとなりました。

ただPGが猫に有害な成分であることは確実なため、安全とされている量の摂取だとしても、例えば元々腎臓が弱い猫の場合に負担が大きくなったりしないかは気になります。

 

ちなみにユニ・チャームのデオクリーンというウェットティッシュにはPGは含まれていないようですが、また別の種類の化合物がけっこう入っています。

それらが本当に猫に安全なのかどうかも全くわからないですし、全て調べるのも難しそうです。

 

というわけでアイリスオーヤマに何度も問い合わせて安全だと回答を頂いたものの、結局は使うか使わないかは自己判断となりそうです。

色々めんどくさいので、もうティッシュに水つけて拭こうかなと思ってきました(-_-;)

 


このブログでは夫婦と2匹の猫の日々のあれこれを書き綴っています。
よかったら読者登録をお願いします(=^・^=)