クエンティン・タランティーノ監督の最新作『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』を観ました。
かなり面白くて、すぐサントラを注文しました。翌日には届いてリピート再生しまくっています!(サントラは輸入盤の方が安いのでオススメです。)
ただ『Yahoo映画』や『映画.com』のレビューを見ると全然面白くなかったと書いている人もチラホラいました。
大体の映画は予備知識がなくても楽しめますが、予備知識がある方がより楽しめるように作られています。例えばドラクエ2単体でも楽しめるけどドラクエ1をやっていれば世界地図を手に入れた時にさらに楽しめるような感じ。
タランティーノ監督は映画オタクなので自分の映画の中に他の映画の小ネタを入れることで有名ですが、この映画は特にそれが顕著で、その時代や他の映画、俳優についての予備知識があればあるほど楽しめると思います。
知っている方がクスっと笑えるシーンがたくさん増えるのです。どうせ同じ料金を払って映画を観るならより楽しめる方がお得であることは間違いない。
というわけで、映画をより楽しむための個人的オススメ方法を紹介します!
これから映画鑑賞を趣味にしたい方にも最適です。
- 1人好きな俳優を決める
- その俳優の出演作を観る
- 同じ監督の映画を観る
- 準主役の出演作を観る
- タランティーノは同じ俳優を使いがち
- 町山智浩著『映画の見方がわかる本』を読む
- その他、気になった俳優の出演作を観る
- 点ではなく線で観る
1人好きな俳優を決める
これは誰でも良いんですが、なるべく出演作がたくさんある有名な俳優が良いです。
別にそこまで本気でファンじゃなくても、過去に見てなんとなく面白かったなと思う映画に出ていたとか、知っている俳優を思い浮かべる程度で大丈夫です。
ここでは仮にブラッド・ピットにしておきます。
その俳優の出演作を観る
ブラッド・ピットくらいになると出演作が多すぎてどれから観ていいのかわからないと思います。
そういう時はちょっとでも聞いたことあるなと思うタイトルの映画を選びましょう。そう、まずは『ファイト・クラブ』ですね。これがメンタリズムです。
同じ監督の映画を観る
ああ面白かった、まさかあんな結末だったなんて…そしてYahoo映画で他人の感想や監督の情報などを読んでいるうちに気付きます。
「あれ?『セブン』っていう映画も『ファイト・クラブ』と同じデヴィッド・フィンチャー監督とブラピのコンビなのか…」と。
こうなると次は『セブン』を観ることになります。
準主役の出演作を観る
『セブン』では、ブラピの相棒の黒人のオッサンをなんか見たことあると思います。そう、これがモーガン・フリーマンです。
「他にどんな映画に出ているんだろう?あれ、『ショーシャンクの空に』って聞いたことあるなぁ…借りてみよう」と、こうなってくると後はどんどん観る映画が増えていくと思います。
「あれ、『最高の人生の見つけ方』って最近テレビでCMしていたような?モーガン・フリーマンの映画のリメイクだったのか、元の作品を観てみよう」
「共演しているジャック・ニコルソンって聞いたことあるな、『シャイニング』ってポスターの写真だけは知ってるな、観てみよう」
などなど…
とりあえず知っている俳優が増えると、それだけで映画をけっこうおもしろく感じてくると思います。いちいち登場人物の名前と顔を覚える必要がないので、その分ストーリーを理解しやすいというメリットがあるからです。
例えば『セブン』だと「ブラピ刑事」「モーガンフリーマン刑事」と覚えておけば、「ミルズ刑事ってどっちだっけ」といちいち考えずに済みます。
全員知らない俳優ばっかりで顔や髪型も似ていると、映画館で1回で人物相関図を理解するのは正直キツいです。原作を読まずに観るハリー・ポッターのような感じです。全員顔が似ているしロンゲだし名前も変だし画面暗いし。
タランティーノは同じ俳優を使いがち
これは監督の好みにもよると思いますが、クエンティン・タランティーノ監督は同じ俳優を使うことで有名です。彼が尊敬する黒澤明も三船敏郎や志村喬を多用していたので、そういう部分に影響されているのかもしれません。
今回の『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』にはブラッド・ピットとレオナルド・ディカプリオが出ていますが、ブラピは『イングロリアス・バスターズ』、ディカプリオは『ジャンゴ 繋がれざる者』でそれぞれタランティーノ映画に出演しています。
でも実はブラピはタランティーノが映画監督になるために脚本を書いた『トゥルー・ロマンス』に出演していたりもします。
その他にタランティーノ映画の常連マイケル・マドセンが出ていたり、『デス・プルーフinグラインドハウス』で敵同士だったカート・ラッセルとゾーイ・ベルがスタントマンの夫婦役で出ていたり。
特にデスプルーフではカート・ラッセルはスタントマン・マイクという役、ゾーイ・ベルは元々本人がスタントマンで本人役で出ています。この繋がりも知っていると見つけた時に小ネタとして楽しめますね!
町山智浩著『映画の見方がわかる本』を読む
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』の舞台は1969年のアメリカです。
ただアメリカにおける1969年がどういう時代だったのか、その当時を生きていたとしてもおそらく日本人にはピンと来ないでしょう。それ以降に生まれていればなおさらです。
私も昔『イージーライダー』を観た時、ヒッピー文化や主人公たちへの町の住民の態度の意味がよくわかりませんでしたし、『卒業』を観た時も全然面白くないなと感じました。
(ちなみに『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』ではヒッピーに向かってデニス・ホッパーと蔑んだり、『卒業』で有名なサンモン&ガーファンクルの曲『ミセス・ロビンソン』が流れたりします。)
しかし町山智浩著『映画の見方がわかる本』では当時のアメリカの空気感をすべて解説してくれています。
ベトナム戦争、ヒッピー、西部劇、マカロニウエスタン、ハリウッドの衰退と復活など…ああ、そういうことだったのかと理解できるので、この本は本当にオススメです。
その他、気になった俳優の出演作を観る
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』にはダコタ・ファニングという子役で一世を風靡した女優が出ているのですが、気になったら代表作の『アイアム・サム』を観ましょう。
主演のショーン・ペンは『マルコヴィッチの穴』という映画でブラピと共演しています(お互いカメオ出演)。また繋がりを見つけてしまいました。
『マルコヴィッチの穴』に出ているダスティン・ホフマンは先ほどの映画『卒業』の主役ですし、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』で小ネタとして出ていたスティーブ・マックイーンと映画『パピヨン』で共演しています。
同じく『マルコヴィッチの穴』に出演している出ているウィノナ・ライダーは映画『17歳のカルテ』でブラタニー・マーフィという女優と共演していて、ブリタニー・マーフィは映画『アップタウン・ガールズ』でダコタ・ファニングと共演しています。
『17歳のカルテ』にはアンジェリーナ・ジョリーも出演して、アンジェリーナ・ジョリーはご存知ブラピの元奥さんですね。映画『Mr.&Mrs.スミス』で共演して恋人になりました。
どんどん繋がりが見つかって、観る映画が増えてしまう。
点ではなく線で観る
というわけで映画は何らかの繋がりを見つけて鑑賞して行くとどんどん面白くなってくると思いますので、ぜひ点ではなく線で見てみてください!
あとはやっぱりタランティーノの過去作と元ネタになっている映画を観ているとさらに楽しめると思います(*^_^*)
さらに、映画のワンシーンやセリフをパロディにしているマンガも多いので、そういうのを見つけた時も楽しめますよ!
このブログでは夫婦と2匹の猫の日々のあれこれを書き綴っています。
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